ほぼ終止電圧になった単三の乾電池があったので、乾電池残量計にはめて、回路の各部の電圧を計ってみた。
左端は、テスターで約1Vのもうダメになった電池。メーターの指針は、動いたような動いていないような感じなので一応「−∞」としておいた。
中ほどは、テスターでは1.2Vある電池。デジカメにはとてもとても無理なレベル。残量計ではちょいと振れる程度でVUメータの目盛りで読むとだいたい「−10dB」。
比較対象として、新品の電池も計ってみた。これはフルスケールの「+3dB」
表には、他の回路の干渉防止のために負荷用抵抗の前後に入れているダイオードによる電圧降下の合計値を計算しておいた。新品で1.2Vほど、もうダメ電池で0.9Vほどダイオードが電圧を食っている。
流れる電流が減ると、ダイオードの順方向電圧降下が少なくはなるものの、2本の合計で乾電池の終止電圧の0.9Vほどを食ってくれているのがうれしい。同じ回路を組んでも、ダイオードの特性によって順方向電圧降下の値は違ってくるため、同じようにはいかないと思う。
さて、これでこの乾電池残量計は、1.6Vでフルスケール、0.9Vで針が振れなくなるって道具だってことが分かった。こんなアナログの電流計を使った試験器では、どうしても電圧があると針が振れてしまうのだが、0.9V以下では振れないってのが良い。2本のダイオード様サマだ。
あとは、006Pや3V電池の回路にダイオードとして使っているLEDはどんな特性を出してくれるのかが興味があるが、可変電源はないし、減った3Vや9Vの電池がないのでまたの楽しみにしておこう。
コレを書いていて気が付いた。負荷抵抗の両端の電圧からすると負荷電流が最初に思ったのより少なくなっているはず。干渉防止のためにダイオードを挟んだせいだ。ためしに計ってみると250mAを目論んでいた単一の回路で90mAしか流れていない。負荷抵抗の値をもっと小さくしなければ。
終止電圧の0.9Vになったもうダメ電池でも、大陸製の単三電池1本で白色LEDを灯すという昇圧回路の入った100均の懐中電灯では使える。少々、暗いが。
これを流用して、もうダメ電池の残りエネルギーを取り出してコンデンサにでも貯めておいて使うなんて機器を作ると良いかも。ただ、最後の最後まで電池からエネルギーを搾り取った後は、液漏れの心配があるのでそれをどうするかが問題だ。
その電池1本の昇圧懐中電灯でほぼ消えるまで乾電池を消耗させてみた。照らすことは出来ないが灯っている状態。これで電圧を残量計にはめて計ってみると0.82Vある。もちろん残量計の針は微動だにしない。開放で計ってみると0.87Vだ。電圧を計ったのでは電池の残量は分からないということだ。
ひと晩放置しておくと1.02Vに戻っているので、昇圧懐中電灯にはめると、暗めだがまた明るく灯る。懐中電灯での動作電圧は0.76Vだった。しばらく待つとすぐに暗くなってしまう。終止電圧って、そういうことなんだな。
乾電池の内部は化学変化なので、徐々にだが電圧は復活してくるのだ。その復活のしかたがだんだんと遅くなるし、内部抵抗が大きくなって、持久力がなく明るさがすぐに落ちてしまう。何だか動物の老化に似てる気がする。
おいぼれ乾電池1本でよく遊べたこと…。こんな「ホントに無くなるまで使ってみたらどうなるだろ」なんて疑問、好奇心が理科のベースなんじゃないですか?