前時に椀がけ法で洗っておいた火山灰を検鏡する。2晩3日窓際の日向に放置しただけだが、よく乾いている。
プレパラートは、色画用紙の台紙。裏からセロハンテープを貼って、火山灰を貼り付ける。穴が3つもあるので、どれがどれか分かるように書いておく。
光源装置の上にあるのは、袋入りのアルニコ磁石。どの火山灰も磁石にすいつくものが混じっている。磁石を袋から出して使うと、エライことになるから袋のまま吸い付くか試してみる。
色画用紙の台紙は、スライドガラスサイズ。セロハンテープは8cmで良いので、セロハンテープスタンドに、治具をつけておいた。最初は30cm物差しを養生テープで貼り付けてみたが、固くて何だかすぐに外れそう。で、ふりこ実験台の古い分度器のパウチを使って細工した。
双眼実体顕微鏡の40倍で検鏡する。8mmの穴は良い。20倍で見ている子は、タブレットの写真のように台紙の画用紙が写る。「40倍にした方がよくわかるでぇ」ってアドバイスしやすい。40倍の視野は5mm四方程度なので、色画用紙が写ることはない。
鹿沼土は粉チーズみたい、桜島はあらびき胡椒みたい…って食べ物に見える子がいた。
検鏡が終わると、表側にもセロハンテープを貼ってノートに貼付する。色画用紙のプレパラートはええワ。花粉の観察にも使ってみよう。
検鏡の結果の画像は、ムーブノートに貼り付けて先生に送信する。どの火山灰か書き込んで送ってくる絵が多い。いつの間にか文字入れの画像処理までしちゃうんだなぁ。
どんな顕微鏡画像を見たのか、って分かりやすくて良い。全員の顕微鏡を覗いて回るってのは無理だからねぇ。きれいなのは多分廊下に掲示だろう。掲示すると見た絵を共有できる。
担任は東京都の火山の噴火の新聞記事の画像を持ってきて話している。ちょっと日本の面積が増えたみたい。でも、東京都と言ったって、地図で見ると羽田から沖縄までの距離とそんなに違わん。1250km南にある硫黄島ってめちゃ遠いんだなぁ。
しかし、鹿児島は大変だねぇ。こんな灰が自家用車に降ったからって手で払いのけると、磁石に吸い付く尖った噴出物だから車に傷がつくよな。とりあえずは、圧縮空気で吹き飛ばすとか、たっぷりの水で流してから洗車だね。
鹿児島だけじゃない。「降雨時に3ミリ以上の火山灰が降り積もると、送電線の絶縁性を保つ器具の機能低下により停電が発生する」と言うのだ。高圧線を止めているあの長い碍子に灰が付いて濡れると火花が出るってことだ。磁石に吸い付く火山灰なんだから。
どの火山灰も磁石に吸い付くって、地球って鉄の惑星なんかも知れん。