ゾウリムシを増やすには <メダカのたんじょう>

 備忘録として書き留めておく。検鏡するのにひと目で数匹見えてほしいのと、メダカが孵化したあとの餌として与えるために、あらかじめゾウリムシを増やしておく方法。

1 検鏡試料のためには数が多い方が良い

 水中の微生物を観察する場合の試料は、せいぜいスポイトで1滴の水だ。その中の動き回る微生物を観察するには、池やプールの水を汲んできたのでは、出会えるハズがない。水滴の10mm四方の中に微生物が居るような試料を用意しておかなくては無駄な時間を過ごす授業になってしまう。

ゾウリムシ

 ゾウリムシは、たまたま1匹見つかったとしても逃げ足が速いので、子どもたちの力では追跡出来ないのだ。だから「濃い」のを配っている。動くものを顕微鏡で見るのはこのゾウリムシが初めてなのだ。対象の微生物を多くしないと、わずかな微生物を追尾しながら観察するのは難しい作業で出来ないことが多い。

 「先生、見えません」って言っている子がいる。視野に10匹は飛び込んでくるようにゾウリムシの濃い所を配ったのだから、見えないってのは、操作方法がマズいからだ。

 「横から見ながら上に上げて、覗きながら下ろしていく」って復習をすると、キャッと飛びのくではないか。それほど沢山のゾウリムシを配ったのだ。うじゃうじゃと居たのでビックリしたんだろう。

ぞうりむし

 これで40倍。100倍にすると見える数が減る。これぐらい「濃い」試料だと全員が検鏡して見つけることができる。

2 ゾウリムシをさがす

ゾウリムシを増やす

 まずは、ゾウリムシ探し。池の底や、プールの底、水槽の底のヘドロなどを採ってきて検鏡してみる。下左はプールのヘドロ。緑色の藻の仲間のほかに動き回るゾウリムシが見つかった。

 私は、畑の周囲の排水路の水の流れの緩やかなところの底の土をすくってきた。止水の土のあるところと言えば、田土が良いかもしれない。他に、池の底の石にはりついているヘドロなども微生物が多い。

 近くの排水溝のヘドロを採集してみたが、ドブ臭がしてきた。嫌気性の細菌が多かったみたい。採集地ごとにボトルをわけて、混ぜないようにするのがコツ。

ゾウリムシを増やすゾウリムシを増やすゾウリムシを増やす

3 ゾウリムシの増やし方

 ペットボトルに、池の水、なければ飲料の天然水をボトル半分ほど入れる。そこへ、ビール酵母製剤を半錠、それに化成肥料を2〜3粒入れてよく振ってかき混ぜる。そこへ検鏡して確認した試料をスポイトでひと吸い入れる。

 二日に一度くらい振って空気を補充してやる。ペットボトルの蓋は乗せておくだけ。空気が減って凹むことがあるので。数日置くのなら、酸素ボンベを一吹き入れておくと良い。

わかもと

 酵母製剤は、麹菌、乳酸菌、ビール酵母が主成分。この菌たちがゾウリムシの餌になる。

4 植え継いで育てる

 1週間ほどで、中の写真のように水面にもやっとしたゾウリムシの集まりが見えるようになる。検鏡して確認したら、新しいペットボトルに植え継ぐ。ここで、2〜3本のボトルに増やすと失敗してもどれかが生き延びるだろう。

ゾウリムシを増やす

 ここまで水面に集まるようになったらすでにピーク。3週間もすると個体数が減る。息絶えたゾウリムシのゴミが混じるようになる。そして、どうもワムシが増えてくるようだ。ヘタをすると嫌気性の細菌が増えて水の色が黒ずんできてドブ臭が強くなる。

 新しいボトルに植え継いでいくと、ゴミが少なく、ゾウリムシだけが観察できるような、きれいな検鏡試料になっていく。3世代目まで植え継ぐのならば、1ヶ月ほどの時間が必要になる。

4 幼魚のエサに

 水中の微生物は、食物連鎖の最初の試料だ。ゾウリムシのエサは「菌」。自然界では、稲の株や藁についている枯草菌などを栄養源にしている。そんな「菌」を、楽に入手するのにビール酵母製剤を使っている。これも有用な菌なのだ。ほかに入手しやすい菌には納豆菌、乳酸菌、イースト菌などがあるが、匂いや扱いやすさからビール酵母製剤を使っている。

子メダカのエサボトル

 たくさん作れたら、孵化させたメダカの仔の餌として最適。メダカは孵化しても、その後の飼育が難しい。難しい一因は餌だからだ。幼魚用の餌って売ってるけどメチャ高い。そんな乾燥餌よりも、この生き餌はおいしいらしい。多く入れすぎると水質が悪くなるので注意。

 

 池の水を少々太陽の当たるところに置いておくとアオコなどの植物プランクトンが増えて緑色の水になる。緑色の水を用意出来たら、ミジンコを飼育できる。

5 昆虫どうしの食物連鎖

 「菌」の次がこのゾウリムシなどの微生物。微生物やアオコをミジンコなどの少々高等な生物が餌にする。そして、その上が、なじみの深い昆虫の幼生類だ。

 プールで捕まえてきた中に元気な緑色のものがいる。よく見るとカゲロウの幼生だった。

ヤンマのヤゴの捕食

 ヤンマのヤゴを入れた水槽に入れておいた。しばらくして見ると、ヤゴの目の前にカゲロウがいる。これは、狙っているな、と思った瞬間、飛びついて噛みついた。

 ミジンコや昆虫の幼生などを食して成長していくヤゴは食物連鎖を見るには良い。

 

<生物どうしのつながり>


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最終更新日: 2020/06/01

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