豆電球とLEDの差

 理科の実験材料にLEDが入ってきた。マチを走っている自動車だってLEDを使っているものが多い時代となっている。ところが、LEDと豆電球の違いについて知らないまま使うことになってしまっている。

1 白熱電球は電圧を重視する

豆電球

 白熱球の豆電球です。白熱球ってのは、真空のガラスの中にタングステン線を封じたもの。いわば、ニクロム線が入れてあるようなもので、電流によって赤熱して光を発する構造になっている。

 使う時は、「2.5V0.3A」って書かれている特性を読んで使っている。特に注目しているのは「2.5V」の部分だ。

 乾電池1個で灯すと、少々暗いが灯る。乾電池2個の3Vで灯すと、特性上はオーバーだが明るく灯る。

 たくさん点灯させるとき以外は「0.3A」の方は意識をせずに使っている。夏祭りなんぞで、100Wの電球を1本の電線に25個ぶら下げようって考えて、“そりゃブレーカーが落ちる”って、電球を40Wに取り換えるなんてことを考える時ぐらいです。

 つまり白熱球は、電圧で考えてきたのだ。車用の12Vの電球を、家庭用の100V回路につないだりはしないのだ。

2 LEDは発する波長で順方向電圧降下値が決まる

LED

 LEDはいろいろな種類がある。工作などで手に入れやすい砲弾型っていわれるものがコレだ。赤、黄、緑、青、白など発色も決まっている。その色(出す光の波長)で順方向の降下電圧が決まっている。赤色で1.8Vあたり、青色で3.1Vくらいだ。

 青色発光ダイオードで日本人がノーベル賞を受賞した。そのおかげで、白色のLEDも登場するようになった。

3 白色を発するLEDは無い

白色LED

 しかし、白い色を発するLEDはナイのだ。白色は可視光線を頃合いにミックスして白色を得ているのであって、光の3原色をまぜてこそ白色になるのだ。3つもLEDを封入するのが大変なので多くは青色発光ダイオードに反対色の黄色のフィルターをかぶせて白色にしたり、紫外線発光ダイオードに蛍光灯で使っている蛍光体をかぶせて白色にしている。

 もちろん、1本にRGBの3つのLEDを封入したLEDもある。

 また、新品のLEDは足の長さが変えてある。普通は長い方に+極を接続する。つまり直流でしか点灯しない半導体だ。

4 交流でLEDを灯してはならない 

点灯回路

 間違ってもこんな交流で点灯させる回路を組んだらダメなのだ。実際に私は作ったけど、交流に対応するために、LEDを2本逆向きに並べている。これでも、逆耐圧(普通は5Vぐらい)が超えてしまうとLEDが壊れる。

5 LEDは直流で点灯させる

LED

 中を見ると、LEDチップの台になっている部分と、それに接続する足とからなっている。これを見て+ーを判断するのはアブナイ。メーカーによって違うことがあるからだ。

 LEDは逆に接続すると点灯しない、って実験をすることがあるが、その素子の逆耐圧はいくらなのか意識せずに使っているのではないか。普通は5V程度なので、それ以下で試してみなくてはならない。

6 良好に点灯する範囲は狭い

LED規格

 白熱球と違ってLEDは電流値で回路を考える。このグラフは白色LED。2V程度では灯ることはない。適切な灯り方は20mAで、順方向に3.1Vが必要と読む。電圧を上げていくと電流も増えるが、ある点から壊れてしまう半導体なのだ。

7 電源にLEDを直接接続してはならない

LEDを点灯させる

 LEDを電池に直接つないで点灯させるってこともあるが、ごく稀なことだと思わなくてはならない。キャンドルLEDがこの点灯をさせていたぐらいだ。これは、小さな電池で、内部抵抗が大きいので、LEDの最大規格を超える電流が流れることはないから実現できている回路なのだ。白色LEDだから良いけど、順方向電圧の低い赤色LEDは、この3V電池で同じように灯すと破壊するおそれがある。

8 LEDは電流で点灯させる素子

LED点灯回路LED点灯回路

 上の例は左の回路だが、通常は右のように電流制限抵抗を直列に接続して使う。抵抗値は、電圧によって(このLEDなら20mAになるように)決まる。内部抵抗の低い、大きな電池や電源装置を使うなら必須なのが電流制限抵抗だ。

 ホームセンターで売っているLEDは、電流制限抵抗をセットにしている。抵抗なしに使うべきではないからだ。望ましい抵抗値はオームの法則「E=IR」で計算して求める。「R抵抗値(Ω)=E電圧(V)÷I電流値(A)」で計算する。

 

 このように、LEDは「電流値を重視して回路を作る」のだ。これを知らずに豆電球の感覚でLEDを点灯させると壊してしまう。

9 LEDは電圧で明るさをコントロールできない 

LED特性

 豆電球のように電圧で明るさを調整することは出来ない。この特性のグラフを見るとおり、1.8Vでは点灯しないしし、2.1Vを超えると規格を超える電流が流れてしまう。電圧の調整でコントロールをすることがむずかしいのだ。適切な点灯は2V10mAあたりが良い。

10 LEDはPWM回路で明るさを調整する

PWM制御 

 明るさを変えるなら、LED専用の制御回路が必要になる。その方法は点灯している時間を制御する方法だ。このONとOFFを目にはちらつきを感じさせないスピードで繰り返している。上の例なら2割程度の明るさ、下のように点灯時間が長いと8割程度の明るさになる。

 家庭用のLED電球の場合、調光回路対応の100V用LED電球と、それに応じた調光器が必要になる。

11 理科実験用の低電圧LED豆電球

LED豆電球

 ウチで使っているLED豆電球は、白色なのに低電圧の1.5Vで点灯する。LED内部に昇圧素子を持っているLEDなのだろう。こんな豆電球なら電流制限抵抗なしに使うことが出来る。

 しかし、ものはLEDなので、定格を超える使いかたをするとLEDを破壊してしまう。

 

 白熱豆電球で授業をした時に、電池2個で明るく灯ったので、3個使ってみた子がいた。当然、球切れをおこしてしまった。それと同じ。

12 LEDは省電力

コンデンサで点灯

 キャパシタ(コンデンサ、蓄電器)に発電した電気をためてLEDと白熱豆電球で比較してみる実験がある。

 電流値を比較すると、白熱豆電球は「300mA」、LEDは「20mA」だ。およそ、LEDの方が15倍の時間、点灯してくれるって計算になる。省電力ということで次々に電球が置き換わっていっているのだ。

13 LEDは熱に弱い

LED電球

 LEDは、「光を発する半導体」って名前。半導体なので、他のICなどと同じように熱には強くない。

 省電力、省エネルギーの光源として普及しているが、それでも流れる電流量によって自身が発熱する。特に明るいLEDは発熱量も多くなり、その放熱が必要になる。

 上の図は電機メーカーによる内部構造の図。上半分しか光る部分が無いのは、下半分で放熱しているため。したがって、密閉灯具や高温になりがちな車中など、放熱の難しい場所での使用は、寿命を短くすることがあるので注意が必要。

 

<発電と電気の利用>、LED、LED、


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最終更新日: 2020/04/05

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