ふりこ実験台の作り方 <特集>
- 2016年11月23日(水)
- カテゴリー:物理学的教材
- コメントを見る(0)書く
振り子の面白い実験をさがしてたどり着く方がおられるので、ウチの実験台の作り方をまとめておきます。だいたいこの単元で奇をてらった実験は無いです。10往復を3回計測して、1往復を計算して出すって地味~ぃな実験なのが良いところです。何度もやりますから、実験中に子どもたちの出番が多くなります。そして最後に長さ4メートルの振り子の周期を予測して、それが当たるようになると結果的に楽しい実験になります。
指導するにあたっては、振り子の糸の長さを指定すると、計測の間違いを巡視していて見つけやすくなります。1mと、4分の1mと、4mでやると10往復が20秒、10秒、40秒となって都合が良いのです。実験は、50cmでもやってみます。長さを倍にすると周期も倍になるか(結果はルート2倍だが)ってのを確かめるんです。
まず、糸の細工をします。タコ糸を圧着端子に通して固定します。ペンチなどでぎゅっとつぶすだけです。タコ糸の先を一結びしておくと抜けることはありません。ちなみに、使った圧着端子は「R2−5」直径2mmの銅線をカシメて5mmのネジで留めるという規格。これなら、重さを変える時に錘を5mmの穴に2個下げることができます。オモリを縦につないだのではおもりの重心が変わってしまいますから、同じところに下げられるようにちょっと穴が大きめの圧着端子を使いました。
糸の長さは、25cmと100cmで実験をするとほぼ1秒、2秒の周期で振れますから、110cmもあれば良いでしょう。両側に圧着端子をつけておくと、ちぎれそうになった時や、反対側からほどいたときにも使えて便利です。
実験時には、算数やら家庭科からかきあつめて300mmと1000mmの竹の物差しがあると便利です。
次は、振り子の支点作りです。長さを測定するのに分かりやすいように目玉クリップを使いました。ちょっと大きめだと挟む力が強くて、実験中に糸がズレてくる心配が無くて良いです。
目玉クリップをどうやって止めるかが工夫のしどころです。木の角材でも良いでしょう。たくさんあった、輪軸やテコの実験装置(らしい)の金具を使いました。支柱は、どうも輪軸や滑車の支柱だったもののようです。腕木を出して支柱から少し離して錘を下げないと、支柱に当たってしまいます。
あとは400cmの振り子で実験出来ると楽しいです。校舎に吹き抜けの箇所があれば出来ます。2階の手すりから下げると、下の廊下で1クラスの子どもたちが取り囲んで実験出来ました。1往復約4秒の振り子になります。学校中のストップウォッチをかき集めて、一人一つ持たせて実験をしました。20個ほどあったので、2回振り子を振るだけで全員が測定できました。
この実験をするまでに、10往復の測り方の間違いをなくしておく必要があります。振れ始めで「イチッ」と数えますが、10往復目に入る「ジュウ!」で計測を止めて9往復しか計測していない失敗です。「ジュウ~~~~~ウ」で止めなくちゃ10往復分の時間にはなりません。
振り子って言うと、振り子時計ですね。あれって「柱時計」の次に大きなサイズって言うと、床置きの「ホールクロック」になっちゃうんです。何ででしょうね?
柱時計の振り子は一往復が1秒、ホールクロックの振り子は片道が1秒なんですな。中途半端だとメカニズムが作りにくいんでしょう。だから、約25cmの柱時計と約1mのホールクロックになるんですね。
もっとも、最近の振り子時計はナンチャッテです。運針のメカと、時打ちの音声回路と、振り子を振る回路に分かれてますから、振り子を止めても時計は止まらない電子時計なんです。
あとは、右のメニューから<ふりこのきまり>の関連記事を見てください。