<特集> 色が変わると楽しい
- 2017年07月30日(日)
- カテゴリー:化学的教材
- コメントを見る(0)書く
<水溶液の性質>では少々時代遅れのリトマス試験紙が必須だけど、もっといろいろな呈色反応が見られる方が楽しいんじゃないですか。豊洲市場の地下水だって都会議員が万能pH試験紙試験紙を使ってたでしょ。赤と青の2枚必要で、中性付近では反応しないリトマス試験紙って理科の授業でしか使わなくなりそうなものの一つって思いません?。そんなわけで試薬以外でpHによって呈色が変化する過去記事を特集してみました。
マロウブルー
ウスベニアオイの花を乾燥させたハーブティーとして販売されています。熱湯を注ぐとブルーになり、レモンを入れるとピンクに変わると言うサプライズが人気のハーブティーです。飲み物なんですけど、これってまるっきり化学実験じゃぁないですか。紅茶屋さん以外に、教材屋さんからも入手できます。
紫芋料理
続けて食べ物で化学実験を。紫芋のポリフェノールはpHによって赤、青、黄色を呈色します。酸性に傾くとピンクに、塩基性に傾くと青から緑色になります。
リンゴ、パイナップルなどのフルーツをつぶした紫芋に加えると果物の周りがピンクになります。ホットケーキミックスにつぶした紫芋を混ぜると焼き上がりが緑色になります。同じように塩基性の食品の中華麺と紫キャベツや紫タマネギを混ぜると緑色のヤキソバになります。少々食欲が減退しそうな色の化学実験。
アサガオ
アサガオの花って不思議だと思いません?白花だって赤花だって青花だって、花がしぼむと紫色になるんですねぇ。これもポリフェノールのせい。これもpH指示薬のはたらきをするんです。1年生でも安全な酸性・塩基性の液を用意して色水遊びにするってところが肝心。塩酸やら水酸化ナトリウムなんてもっての外。
アカシソ
塩漬けをした梅の実の梅酢に塩もみした赤紫蘇の葉を入れると、それまで黒っぽかった紫蘇の色が一気に明るい赤にかわります。これもポリフェノールが酸と出会ったための色の変化。
他に「紫の野菜」ってジュースが市販されているけど、色が安定するようにpH4あたりの少々酸っぱい味に調えているので塩基側の色の変化が思わしくない。やはり、紫の野菜を生から抽出しなくては使いにくい。
ムラサキイモ
再びムラサキイモを指示薬として使ってみると <水溶液の性質>
ムラサキイモそのものを、pH試験紙にしちゃう <水溶液の性質>
包丁とマナ板がわりのベニヤと水溶液を用意しておく <水溶液の性質>
最近食品添加物として「ムラサキイモ色素」なんてのがある。赤系の天然色素として使われるようになった。
ムラサキイモの色素は、強塩基で黄色、弱塩基で青から緑、中性付近で紫、酸性側で赤になる。芋自体は糖度が低いために人気がないので量販店で市販されていることは少ない。もし巡り合えたら絶対に買いだ。食べるなら薄切りして塩味のポテトチップスにするのがオススメ。
芋の保存は10℃以上。生で冷蔵や冷凍は出来ない。私は乾燥せぬように新聞紙で包んで段ボール箱に入れて冷暗所に保存している。25度以上に気温が上がると芽が出て来るので土に植えると良い。
手軽に入手するには、ムラサキイモパウダー、紫芋フレークなどの乾物で入手できる。
<水溶液の性質>