筋肉と骨を、手羽先で観察する <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」手羽先の解剖

 先週から店に取り置きを頼んでおいて、仕入れておいた但馬鶏の手羽先、4kg。チルドなので準備は早い。ザバッと水洗いして、ポリ袋に一つずつ入れて、バットに入れ、机に配布しておく。

 前に集めて説明。「関節」「筋肉」「筋膜」「腱」「じん帯」なんて4年生でやらなくても良いことまで板書。筋膜ってのは、肉を買うときは「スジ」ってんだ、なんてことまで。

 

 うまくいくと、筋肉を引っ張るとピンと立ってくれる。腱がどこにつながっているかも見るんだよって。

 

 1時間目のクラスは少々押したので、4時間目のクラスは、肉を手に持たせて前に集めた。で、説明しながら、皮の下に指を入れさせる。ハサミを入れる道さえつけばあとの仕事が早いからだ。1時間目のクラスは失敗しちゃぁいかんと遠慮しながらとっかかったので、時間が押してしまったのだ。説明を聞きながら一緒に始めちゃうとスタートダッシュがついたみたい。

手羽先の解剖

 引っ張ればピンと伸びる方は取り出しやすいのだが、縮む方は皮が固くて大変。指が入らないので、ハサミを直接入れて切り開く。

 

 終了10分前頃には、「関節も見てみる?」って尋ねた。そりゃぁ4年生のことだ、見たいって言うに決まっている。

「じゃぁ、手首の部分を、曲がらない方向に無理やりベキッと折り曲げてみて」ってじん帯を破って関節部分を観察する。骨の先の白い軟骨が見えることが多い。「ツルツルやろ、ヒアルロンサンかコンドロイチンかしらんけど、動きやすくなってるんだな」って。ヒザのCMが多いもんで聞いたことのある子が多い。

手羽先の解剖手羽先の解剖手羽先の解剖

 割り方によって軟骨が見えにくかったら、赤い骨が見える。骨は造血器官だから血の色をしているのだ。

 

 子どもたちの装備は、事務用ハサミ、あればキッチンバサミって言ったらしくて、デカいキッチンバサミが多かった。力が入れやすいので、調子が良い。一番調子が悪いのが、学校が用意した小さな解剖ばさみだ。それと、タオル。終わった後石鹸で手を洗い、石鹸まみれの手でハサミも洗うが、脂をスキッと落とすにはタオルが良い。ハンカチじゃぁ無理だから。

 

 実験後は、「生ぬるいのや妙に汚れてるのもあって、食べるのは無理ね」って担任。全部回収して焼却場へ、なんだけど、60円で1時間遊べて、勉強になるんだから安いもんだワ。筋肉と、骨と、関節まで観察したんだから。

 機会があればクラスの懇談会などで、中学レベルの理科をやっちゃったってPRしておかなくては。「家で何か言ってませんでした?」って尋ねながら、それとなく。

 

 

 
 


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筋肉と骨と関節の観察 <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先は肘から先

手羽先の解剖「手羽先」

 これが、鶏の手羽。左から手羽元、手羽中、手羽端。手羽中と手羽端を手羽先と呼んでいる。手羽元の付け根は「肩関節」。手羽元と手羽中の間が「肘」。手羽中と手羽端の間が「手首」にあたる。

 写真はめずらしく、手羽元が切り分けられずに手羽先として出荷された「手羽」全体。あのフライドチキン店なら「ウイング」って部分。これの生肉が手に入ると、肘関節の観察が出来るんだけどな。

皮は不要、筋肉と腱を観察する

手羽先の解剖 手羽先の解剖

 ひたすら皮と筋肉の間の皮下脂肪に、まずは指を入れ、入れやすくなった所にハサミを入れて、皮を切り開いて剥いて取っていく。すると手羽中の両側に大きな筋肉が見えてくる。

 「筋肉」は、白い「筋膜」に覆われている。食肉としてはこの筋膜を「スジ」と呼ぶ。豚ロースなどの赤身と脂身の間にあるあのスジだ。

 このスジの行き先をたどって、関節部分の皮を取り除いていくと、筋肉の端の白い筋膜が「腱」となって「関節」を超えてその先の骨につながっているのが観察できる。

筋肉を引くと関節が動く

手羽先の解剖

 関節を開いて伸ばす筋肉を持ってひっぱると、手首の部分がまっすぐに伸びる。

 鶏は普段は手首を曲げて羽を畳んでいて、飛ぶときに手首を伸ばして羽を広げるのだ。写真のように立てて持って「伸びろ〜!」って引っ張ると楽しい。

 反対側の筋肉を引っ張ると、羽を畳むように手首が曲がる。

 人間の手と見比べながら観察すると良い。

骨も関節も観察しておこう

手羽先の解剖 手羽先の解剖

 手羽中には骨が2本。橈骨と尺骨がある。関節は窪んでいるところ。切り分ける時に軟骨などが取れてしまっていることが多い。

 右は肩関節の部分。トンコツでは「ゲンコツ」と呼んでいる骨にあたる。

 観察の最後は、手首の部分の「じん帯」を切り開いて関節が観察できると良い。時間が無ければ無理やり折って関節を観察しても良い。

羽根が付いていたところが固い

手羽先

 骨に白いものがついている部分、ここに羽ばたくための羽根がついていた。この部分の皮が固くてむきにくい。大人の手があればこの部分を補助して回ると観察が効率的に進む。

必要な準備物は

給食椀を石鹸入れに

 この観察は、とにかく手が脂だらけになる。それで、手洗い用に石鹸を用意している。

 それ以外は、ビニール袋に手羽先を入れて配布して、ビニール袋を解剖台として使っている。脂だらけの手では、ノートに記録なんて出来やしない。目に焼き付けておくことになる。

 個人で用意するのは、ハサミ。事務用のハサミでも何とか皮は切れる。それと、手拭き用のタオルか雑巾。

 先生用にメス代わりの剃刀を用意しているが、使いづらい。解剖用ハサミの方が良いという人が多いみたい。

骨格を取り出せると発展的な学習だが

 1時間で使い切ってしまう食肉だが、一人60円程度で本物の筋肉と骨と関節が観察できるのは楽しい。模型を見ることでは得られない満足感がある。

骨格標本

 観察を終えた生肉は人肌の温かさだ。持ち帰らせるのは衛生上、食の安全上問題だと思うが、煮て、骨を取り出して標本のように出来ると楽しい。「食べないように」と十分に指導してなら持ち帰らせてもいいかなとも思う。

 骨格を取り出して置いていると、臭う。臭わぬように油やたんぱくを取り去れば良いのだが、小学校では少々難しそう。

 酵素(入歯洗浄剤)や排水管洗浄剤(水酸化ナトリウム入り)を使ったり、除光液で油を取ったりする方法が紹介されているが、次の学年での自由研究ネタかもしれない。

 掌や指の骨が他の生物よりも少ないってことに気づくのだがなぁ。

 

 


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これが肩関節の一部 <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」

 手羽元の片方は、肩関節。このげんこつのような形の軟骨が肩の関節にはまっているところだ。

手羽先の解剖手羽先の解剖

 タオルとハサミを用意するように言っておいたら、解剖台にするシートを持ってきていた子がいた。外科の簡単な処置を診察室でするときのシートのような気がする。なるほど、滑りにくいし、汚すことも無いので便利なものだ。

 

 「腱」って言葉を教えると「アキレス腱」ってのは知っている子が多かった。手のアキレス腱に当たるところだな、簡単に切れたりしない丈夫なもんだよ、って言っておいたら、引っ張って試している。

 手羽先でもけっこういろいろ見るところがあるもんだ。

 バキッと折ってしまったが、カッターナイフで関節を切り開いてみると軟骨も観察出来たかもしれん。

 


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手羽先を解剖して調べてみる <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」

 業務系のスーパーの開店を待って、手羽先を2袋仕入れてきた。4kg。うれしいことに、県内産のチルドだ。解凍する手間がいらん。さっと水洗いして、個々に袋に入れてやる。袋が解剖の台がわりになる。

手羽先の解剖手羽先の解剖

 分けていると、大きな手羽先が一つだけあった。見ると、手羽元に肩肉までついた腕全部だ。こりゃぁ説明するのにもってこい。「ここが肩関節、じゃここは?」「さあ飛ぶぞって時はこんな風に広げ、地面に降りると畳むようになってる」なんて。

手羽先の解剖手羽先の解剖

 とにかく、指をつっこんで皮を切って肉と骨にしていく。やりたいのは上の写真のように「引っ張るとぴんと伸びる」って遊び。「縮む方の筋肉もみつけて」と続く。「そんな遠慮せんと」「皮は観察しないんだからどんどん剥がす」と机間巡視で指導してまわる。手を出しているもんだから、だんだんと肉の温度が生ぬるくなっていくのがわかる。

 

 「そろそろ終わりますよ」って頃になって、もっと解剖しても良い?って言う。「食べたりしないんだからいいよ」というとさらにやり始めた。で、関節を曲がらない方向に曲げさせてみた。うわぁ骨折やぁ、と言う。脱臼なんだがな。骨が出てきた、って声も出る。なかなか簡単に壊れる関節ではない、って思ってくれたかな?

 単価60円ほどでこれだけ遊べると楽しい。単元のまとめの位置での解剖の授業でした。ノートはいいからしっかり目に焼き付けておいて、って。手は油でぬるぬるなのでノートは無理。あとで感想を中心に書いてくれたらそれでOK。

 しこたまこね回した肉は配布した袋に入れて回収、もったいないけど廃棄。

 

 さすがにフレッシュなチルド品は、手が臭くならない。

 


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画像資料だけは用意しておく <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖の準備「手羽先」

 関節と骨と筋肉の働きについての学習。模型を作らせてみたこともあるが、輪ゴムとストローじゃなかなか思ったように動いてくれん。教材の模型で説明してもなぁ、だし。で、うけが良いので手羽先の解剖をすることになった。

 

 「これ位まで皮をめくれ」「筋肉を分けろ」「見たいのは「腱」がどこにつながっているかだ」、って説明するための写真資料をこのブログから探して、プリントアウトして、パウチしてきた。黒板に貼り付けておく。

 現物を実際にやって見せてから、個人実験にするつもりだが、説明用の写真があるのは便利。「腱」「筋肉」「筋膜」なんて教えんでもええ言葉まで書いておいた。

 

 筋膜のことを料理の世界では「スジ」って呼ぶんですな。とんかつなんぞはスジ切りをしないとクルッと反るよ、ってなもんです。食べながら、ここがスジって言われる筋膜で、腱はそれが集まった所で固くて食感が悪いななんて方へ行きそう。そう、命を頂いてるんですよ、これも食育の一つ。

 

 去年の手羽先の残りが冷凍であったのでやってみる。手羽中の太い方の尺骨には、羽につながる固い部分があって皮がむきにくい。手羽中からチューリップカツにする時にはそこで苦労する。それを骨から切り離してみたかったのだ。メスを出してきて切ってみるとうまくいったが、4年生にはなぁ。事務用ハサミでガシガシ切らせることにすっか。


 


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靭帯を通り越えて親指の付け根まで <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」

 筋肉の端で筋膜が集まって腱になり、関節の靭帯のトンネルを潜り抜けて親指の付け根で指骨につながっている。解剖するならここまで追いかけてほしいものだ。(写真は腱が目立つように加工しました)

 

 今日の授業には先生が3人。机間巡視をしながら手羽先の皮剥きを手助けして回る。ちょいと手数を多く出すと、伸筋と縮筋を引き出せた子が多かった。

手羽先の解剖手羽先の解剖

 手羽中を持って手羽先が下になるようにぶら下げると、ピンと伸びる、おいでおいでと縮める、ってのがやりやすい。

 

 手羽先の解剖をしましたと校長に言うと、うん、子どもらがそう言ってた、と返ってきた。あちこちで言って回ってるんだなぁ。それと、「生肉を初めて触った」んだって。圧倒的に経験が足りないんだねぇ。

 大人たちと給食を食べていると、そう言えばフナの解剖をした覚えがあるって、私はカエルの解剖だったが。昔はそういう教材があったのだが、解剖なんてのは教科書から消えてしまったんだねぇ。その上に経験が無いんだから大変だわ。

 

 手羽先からチューリップを作るときに、尺骨に皮が張り付いているのではがすのに苦労をする。包丁なりハサミを入れて切らないとチューリップ型に裏返ってくれない。そして、茎が1本になるように太いほうの尺骨を取ってから裏返す。

 それなら、手出しをするときに、尺骨と皮を切り離してやれば皮を剥きやすいかも知れない。

 

 ノートも開かずに35分間ひたすら肉を触り続けた。肉を引くとピンと伸びた時の表情の変化がうれしい。油まみれの手で観察の結果を書き留めるより、目に焼き付ける方が記憶に残るだろう。

 


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手羽先の解剖 <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」

 手羽先を解剖してみた結果。しこたま手で触ったので生ぬるくなっている肉たちだが、持って帰らせるのはやめて回収するという。食あたりの心配もあるからなぁ。

 このように、手羽中の筋肉をはずして、手羽先を伸ばしたり縮めたりする筋肉を引っ張り出せたら成功の作品。

手羽先の解剖手羽先の解剖手羽先の解剖

 まずは、手羽元とつながっていた関節を観察する。窪んだ骨と、軟骨、靭帯まで見られると良いのだが先を急ぐので、中等教育の生物におまかせする。

 とにかく観察するのに邪魔な皮を引きはがし、破って取る。机間巡視しながら、皮と身の間に指をこじ入れてはさみで切らせる。ここのプニプニとこっちのプニプニを引っ張り出すように言って回る。

 筋肉と筋膜と腱が見えるようになったら、靭帯を超えてその先の骨につながっていることを観察させる。腱が靭帯のトンネルを越えてその先の骨につながっているのは、模型で作ってもなかなかうまく作れない。やっぱりナマが良い。この実験材料、一人50円ほどだ。ここまで見て確かめられると安いもんだと思うのだけど。

 

 あとは、この骨だけ取り出して、骨格を確かめてみると無駄がないのだが、脂とタンパク質を取り除くのが大仕事で、自由研究ネタだな。

 排水管洗浄剤のNaOHを使う方法と、入れ歯洗浄剤の酵素を使う方法と、あとは土に埋めて白骨化するのを待つ方法がある。4年生って考えると土中のバクテリアさんに働いてもらうのが良いかもしれない。実は、我が家の庭に肥料として鶏ガラを埋めたら時々白骨が出てくる。首ガラやらアバラはあまり見かけないが、橈骨と尺骨はよく出てくる。大き目の骨は土に返りにくいんだろうね。植木鉢に埋めて花を植えて楽しんだ後ひっくり返すって方法はどうだろう。

 

 

 


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ホラ、引っ張ったらピンと立つ <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」

 今日は手羽先の解剖の予定。なので、業務系スーパーの開店を待って手羽先を仕入れてくる。4kgでは若干不足しそうなので普通のスーパーで8本入りを調達してから出勤。

手羽先の解剖手羽先の解剖手羽先の解剖

 買ったのはチルドの国産手羽先と、フローズンのブラジル産手羽先。

 授業に間に合うようにとりあえずチルドのを一つずつポリ袋に入れる。このポリ袋が解剖皿がわりになる。それと大事なことは数を数えておくことだ。国産が34本、ブラジルが36本、計70本、普通のスーパーで買った8本と合わせると、人数に2本余るだけ。上等な買い方だこと。

 

 とりあえず1クラス分用意をしたら、そのトレイに解剖バサミを1本と、人数分のピンセットを入れておく。そして、フローズンの解凍に取り掛かる。解凍のしかたによって味がどう変わるとか関係ないので、湯沸かし器の湯を当てながら、バラバラにして、袋に入れながら数を数える。

 

 とりあえず、やりたいのは、筋肉から筋膜、腱とまとまって、骨につながっていること、筋肉が縮むと骨が動くこと。上の大きな写真は、「ほら、まっすぐになったぁ」って瞬間。これをやりたかったのだ。反対側の筋肉も引っ張って、ほら、羽を畳んだ、ってやる時間があればなお良いのだ。

 

 各実験机には、新しいぞうきんを2枚ずつ、そして脂だらけの手を洗うために保健室から石鹸を取ってきてもらった。その余分になった石鹸を返しに行くと「鶏の解剖をするんだっ、楽しみ〜って言ってた」と。保健室って子どもたちのつぶやきの情報センターなんだわ。そして、それくらい楽しみにしている実験・観察なんだわ。

 

 

 


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骨と筋肉の授業、何かありませんかねぇ <ヒトの体のつくりと運動> 

骨と筋肉

 ヒトの体のつくりと運動の授業に入っているらしい。骨と筋肉の模型はありますかねぇ?と質問が来た。一つだけだよ、ストローで模型を作ってみるか?って答えておいた。

 で、理科準備室のとなり、コンピュータ室へ裏口から入って、このブログを出して、「手羽先の解剖」の写真をプリントアウトして提供した。便利なんだワ、このブログに写真を置いているから。

 手羽先は、業務卸のスーパーでは2kgが単位。買うなら安い方のブラジル産で十分。規格は袋に表示してあり「50gup」となっている。1個50g以上なので割り算をすると40個未満だということになる。30数個で税込み1、450円ほど。きちんとした数で買えないけどひとりあたり60円程度で、解剖実験の検体が手に入ることになる。

 解剖器具は、各自手持ちの文具のハサミで良い。ギザギザに研いでおいた解剖ばさみは班に一つ。

 解剖バットがわりはポリ袋を使えば良いし、ぬるぬるの手を洗うための手拭きタオルは必須。そんな情報も添えておいた。

手羽先の解剖「手羽先」手羽先手羽先


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切れないハサミは許せない <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖手羽先の解剖手羽先の解剖「手羽先」
 私の提案で手羽先を解剖して、骨と筋肉を見てみようということになった。昨夜、冷凍から冷蔵に移し替えてもらった手羽先と、解剖バサミを理科室へ運んだ。
 湯沸かし器の流水で解凍しようと思って、解剖バサミで封を切ろうとしたら、切れないじゃないか。こんなハサミでヌルヌルと逃げていく鶏皮を切るなんて。あちこちサビが来ていて、切れなくなってしまった解剖バサミ、手っ取り早く研いでしまえと、ドリルに砥石をつけてガリガリと削った。ハサミは直角に近い刃なので凸凹がある研ぎ方でも、当座の切れ味はよくなるのだ。電動で削ったカエリはサンドペーパーを使って手作業で取る。
 
 さて、手羽先はブラジル産。50gupが2kgだから30個から40個ぐらいは入っているはず。4kgの手羽先を流水に沈める。やがてわることが出来るようになると、ばらばらにして解凍。大きいものから人数分取り出して、班ごとに仕分け。
手羽先の解剖 
 各個人がそれぞれ手羽先を捌くのにハサミは班に一つしかないが、各個人の事務用ハサミを持ってくるハズで、これで足りる。ピンセットを人数分、ビニール袋に入れた鶏肉とともにバットに入れて準備完了。
 
 ハサミが切れないというのは、予想しなかった。メスやらカッターナイフは切れないだろうからと、前日の買い物のついでに、レジ横の眉毛剃りを買っておいた。予備実験をしてみると、この眉毛剃りはなんだかギザギザもついていてよく切れる。
 メンテナンスしなくちゃいけないものが理科準備室には多すぎる。

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今日の授業は、手羽先 <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先の解剖「手羽先」手羽先の解剖手羽先の解剖
 ストローと輪ゴムで肘の動きの模型を作った後の授業。手羽先を一人一つ用意して、各自で解剖をして筋肉がどのように骨についているのかを観察する。
 どうも先生の指示を待ってしまう傾向を感じる学年なので、殊更、自分でどんどんと進ませていく授業の形にしようと思って始める。観察の目的、着眼点をまずノートに書かせる。期間巡視で眺めて回っただけで、早速観察に入る。たっぷりと時間を取ってやりたいからだ。
 前の机に集合させて、指とハサミと、ピンセットだけで、ヌルヌルする皮を剥がして、切って、筋肉を取り出し、その先端の行方をさぐろう、と演示して、すぐに個人観察に入る。教えたのは「筋肉、筋膜、腱」という言葉だけ。
 「もう、やってもいいの?」と止まっている子たちなので、期間巡視をしながら、皿回しのように個々の皿を回転させていく。「皮の下に指をつっこんで、指が入ればハサミを入れて切る」「ほら、腱が出てきた。これがどこにつながっているか探ってみて」こんな風に言葉を使ってみて、初めて定着するのだ。そうでなければ、丸暗記理科になってしまう。
 右の写真は、「出てきたぁ」と言って、自力で腱を引っ張り出したところ。気持ち悪い、血だ!、ヌルヌル〜、と騒いでいた子もここまで来ると楽しい。筋肉の先が白くなり、腱が関節を乗り越えて第一指骨あたりまで伸びていて、皮をめくると骨につながっている部分が出てくる。ここで、筋肉を引っ張ると手の部分が軽く動くのだ。
骨格標本 
 観察を終えて、「骨の標本を作ってみたい人は持って帰っても良い。ただし、食べるな!」と言い渡して、持ち帰らない子の肉と骨を回収した。
 持って帰る子がその横を通り過ぎながら、「これ、もらってもいい?」と訊く。私はそういう眼の輝きが好き。「どうせ捨てるものだからあげるよ」と答えると何人かが袋に入れて行った。来夏の自由研究には骨格標本が出てくるかな?
 
 放課後、職員室で「うれしそうな顔してたね。3年の教室前で手羽先を見せびらかしていたし。」と話題になっていた。やっぱり個人実験ですよ。準備はめんどうでも、個々に活躍の場を作らなくては。

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人体の上腕の学習で <ヒトの体のつくりと運動>

手羽先「手羽先」
人体の骨と筋肉の学習がありまして、思いついたのが手羽先。鶏屋さんに頼んで手羽元と手羽先のつながったのがあるといいのだけど、とりあえず手羽先だけを解剖してみる。
切り口は、手羽元につながっていた方。ここが「肘」にあたる部分。これから先が「上腕」にあたる手羽先。手前が「二の腕」の手羽元。上腕の橈骨と尺骨の関節が見て取れる。
手羽先手羽先
皮を剥がして、筋肉を取り出す。真ん中の関節は「手首」にあたる部分。鳥なので、尺骨に風きり羽根が生えていた跡があって、骨から剥がしにくい。生でやってみたが、10秒ほどボイルして皮を硬くしたほうがめくりやすいようだ。短時間なら筋肉に火が通らないので観察には支障がない。
「手」にあたる部分を広げる筋肉と、たたむ筋肉が簡単に取り出せる。引っ張ってみると、ちゃんと動く。筋肉の先の腱が骨につながっている様子がよくわかる。
橈骨と尺骨の間には、それぞれの指を動かしたり、翼の向きを変える筋肉が納まっている。小学校はココまででいいだろう。筋肉と骨と関節で動くようになっていて、それぞれ可動範囲があるってことはわかるだろう。

「猫パンチ」はあるけど「犬パンチ」はない、ってのが、可動範囲の問題。猫は幹を抱えることが出来るけど、犬は走る方向にしか腕が動かない。だから、犬はビンタが出来ないのだ。
 


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最終更新日: 2020/07/09

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